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イチゴ終了!

 イチゴ栽培終了しました。1年間ありがとう!去年の3月頃に種蒔いて育ててるから1年以上か。初めての促成栽培だったけど栽培自体は結構うまくいったと思う。1株あたりの収量は、よつぼしで500g程度でした(形が悪いけど食べられるものも含む)。思ってたより病害虫の被害はなかった。一番きつかったのは夏の育苗。無電照無加温でやってみて、厳寒期の草勢低下がなかなかあり、受精不良が出たので、来期は電照使ってみようと思ってる。

 野菜栽培で一番楽しいのは最後に引っこ抜いて、根っこを確認してる時ですよね。というわけでイチゴ引っこ抜いてみたところ、根っこは綺麗でした。ネコブセンチュウ被害はなく、コガネムシも1匹も出てこなかった。よかった。雨水がめちゃくちゃ入ってくるハウスの端っこのイチゴの根っこがよく伸びてて、ハウス中央の乾きやすいところは若干少ない感じがして、おそらくもっと潅水量を増やしてもよかったんだろうなという感じがあった。

 品種育成作業は今のところ順調で、有望系統同士を交配して採種した種を播種して現在育苗中です。今まで栽培していたのは自殖系統なので近交弱勢があったのが、今回播種したものは交雑しているので大幅に能力が向上、この中から最初のオリジナル新品種が生まれる予定です。

 ↓とちおとめS1-30 × ゆうべにS1-5 この組み合わせは最も発芽率が高い。逆に、とちあいかS2-5(自殖2世代目)は今のところ発芽率0%で、予想はしてたけど残念な状態。

 イチゴを種から育てると、交雑していない場合、親とほぼ同じ性質を持った個体が全体の5~10%出現した。早生性、果実品質、収量性、草勢といった要素を総合的に見て。なので10~20株育てれば親と同じようなもの(厳密には近交弱勢が少なからず作用して劣るが、収量が数%減るとか程度)が1株くらい出現する。これが他の野菜だったら確率低いなと思うけど、イチゴなら狭いスペースでたくさん育てられるから、まあええかという感じがある。

 選抜の規模を100倍にしても、似たような100株の中から1株を選ぶ事になる(それらの株はとてもよく似ているし数が多いので、統計的な有意差は出せない)ので、そんなにたくさん作らなくても十分実用的なものは作れそうな感じ。

 全体の70%くらいは親より晩生なのでボツになる。全体の50~70%くらいは味や色が薄かったり、果実サイズが小さかったりしてボツ。あとはなんか、草勢が弱すぎて枯死したり、草勢が強すぎて実がつかなかったりするものがたまにいる。

 とちおとめ自殖は草勢が弱く花に異常が出やすくて、ほとんど収穫ができなかった。あまおう自殖は極めて晩生でほとんどボツだが、食味はいい。とちあいか自殖はまあまあいいものが出やすいが、とちあいか自体に問題が色々ある(硬すぎ、味やや薄い、葉が痒い)。ゆうべに自殖は良いものと悪いものの差が大きかったが、現状最も有望な系統が得られた。

 

 トマトは順調。今のところサンロード自殖系統の3-1-4と3-2-4と1-1-2がいい感じ。作業自体はたくさんあるんだけど、あまり意識しなくても遅れずにやれてるので、精神的に楽ですね。全部の作物がこうなればいいんだけど。なんか最終的には毎日の歯磨きとか風呂とかと同じくらい無意識で野菜を作れるようになりたい。