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抑制カボチャ収穫

 抑制栽培のカボチャ1個目を収穫しました。9/1に開花したもので、積算温度は1030℃です。品種は栗天下。この実は初期に形状が乱れていたもので、本来なら摘果するべきものでしたが、着果率が悪すぎたのでそのまま成長させたカボチャでした。まあ形は悪いけど、一応カボチャにはなったのでよかったですね。重さは1.2kgで小さい。12月まで貯蔵してから食べます。

 これの次に着果したものはこれよりも綺麗で大きくなってるので期待ですが、それは9/12着果でした。たくさん植えたのにその間ひとつも着果しなかった。今年は9月上旬の気温が平年より高かったというのはあるけど、本質的にそういうリスクがある作型なんですね。

 カボチャの抑制栽培は難しいからやめた方がいいかもしれない。着果可能な気温になってから生育不能な気温になるまでの期間で成熟しきれないと収穫できないという厳しい状況です。北海道は真夏でも着果可能で、鹿児島や沖縄は12月でもカボチャが枯れないので、それらの地域では冬至用カボチャ栽培が盛んですが、本州ではほとんど栽培されてないのはそのためなんですね。

 まあでも自家消費用だから、どんなに効率悪くても、1個だけでも冬至にカボチャ食べられれば、それでもいいかなという気もするけどね。ダメ元で植えて、だめそうならすぐに抜いて別のものを植えるつもりでやるのがいいのかな。

 カボチャは収穫後の取り扱いで品質が大きく変わってくるので、収穫後も栽培は継続しているようなものです。キュアリング期間が長く、または温度が高いと貯蔵中の糖化が促進されて、キュアリング期間が短く、または温度が低いと糖化が遅くなるらしい。貯蔵温度は10℃が最適で、それ以下だとすぐに腐敗して、それ以上だと糖の消耗が激しくなる。つまり、収穫後の2週間くらいは、何らかの分解酵素?の生成にかかわる期間で、それ以降は腐敗しないよう消耗を抑えるのが大事な期間になる。分解酵素は低温でも働くらしいから、糖化に高温は必要ない。糖化してるそばから消耗してしまうと、糖分が増えずにデンプンが減っていくだけになるので、貯蔵中の温度が重要になる。それが貯蔵温度が低い方が糖分が多くなる理由ですね。

 冬至用のカボチャなので、食べ頃を長持ちさせる必要があるから、キュアリング温度は25℃くらい、キュアリング期間も10日くらいが適すると思う(7月に収穫する普通栽培のカボチャは、専用の貯蔵庫がないと厳しいので、貯蔵は諦めて常温(30℃くらい)で転がしておいて1ヶ月くらいで食べてしまうのがいいと思う)。ちょうど今の時期の室温がそのくらいです。これから気温が下がって、貯蔵に適した10℃くらいになるから、収穫後の温度環境という、カボチャの抑制栽培の利点をようやく感じる事ができます。ここに来るまでが大変。

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